今回は船の免許を取った話です。
船は魚がたくさん釣れるイメージがある反面、「お金がかかる」「免許取るのも面倒くさそう」といった漠然としたイメージがあったりしませんか?
そこで今回は、
サラリーマンにとって船の免許を持つメリット、そして、免許取得の難易度(簡単です)や試験内容のイメージ、取得までの流れを実体験をもとに解説したいと思います。
メリット①堤防では厳しい真冬の時期に釣りが楽しめる
釣りをやってて直面するのが「真冬は堤防から釣れる魚が圧倒的に少ない」という問題です。
カサゴやメバルといった根魚であれば狙えますが、逆にいうとそれ以外のほとんどの魚は沖の深場へ移動して堤防では釣ることができません。
しかし、船での釣りでは事情が変わります。
堤防からでは魚が接岸するのを待つしかありませんが、船の場合は魚が集まっているポイントに向かって行って釣りができるので、冬の時期に大物を狙って釣りを楽しむことができます。
こちらは瀬戸内海で1月に船釣りをした釣果です。
真鯛の良いシーズンとなり、真鯛メインで釣りをしていると同じくHITするのがスズキ(シーバス)です。
堤防からだと真鯛なんてもちろん釣れませんし、スズキも春に運が良ければ釣れるというイメージだったので、船だと真冬に(しかもたくさん)釣れるんだということに最初はとても驚きました。
真鯛もスズキもとても強い引きが楽しめます。それだけでなく、釣ってすぐの新鮮な魚でつくる料理がまた最高です。
釣りのハイシーズン(6月~11月)に堤防から釣りをする場合だと、趣味として釣りを楽しめるのは実質1年の中で半年だけですが、船釣りをすることで年中釣りが楽しめるようになります。
メリット②家族を巻き込んで釣りが楽しめる
正直冬に船釣りをする、という理由だけだったら乗り合い船で釣りに行けば、わざわざ免許を取る必要もなく、リーズナブルです。
しかし、家族持ちのサラリーマンにとって、船釣りをする中でのもう1つのネックが拘束時間です。
船で釣りに出たら最低でも半日は沖に出ます。そして移動時間や魚の処理などもろもろ考えるとその日1日釣りで終わると考えていいでしょう。
堤防からの釣りなら、朝マヅメだけ釣りを楽しむといったことができますが、船釣りで休日1日まるっと自分だけの趣味に時間を使うことになります。
それが原因で家庭内に不満がたまってしまっては良くないですよね。
だからこそ、家族イベントに船釣りを組み込んでしまえばいいんです。
船の免許があれば、島をクルージングしたあと釣りタイム、といった楽しみ方が可能です。私は長期連休などの旅行先に船釣りを積極的に組み込んで家族と一緒に楽しむようにしています。
船の免許を持っていれば、家族の都合に合わせて、柔軟に時間や予定を変えながら、船釣りを楽しむことができます。
船釣りのコストについて
船を購入となると多大なコストがかかるため、基本的にはレンタルがおすすめです。
船のレンタル費は内容によりますが、1万円~2万円ぐらいです。
(半日なら5千円程度のものもあります。)
対して、乗り合い船だとだいたい1万円以下で釣りができるので、この金額だけ見ると乗り合い船の方がリーズナブルです。
それでも、船をレンタルした方が価値があると感じる条件としては、
- 家族で楽しめて、時間と計画が柔軟に決めれる
- グループで利用したら費用が折半できるのでかなり割安
という点です。
どちらにしても、家族と連休を楽しむレジャー費用と割り切れば、自分の趣味と家族サービス両方実現できるので、コストメリットは高いと感じます。
船の免許の取得について
仕事が忙しいサラリーマンの方には、国家試験免除で、学科と実技を受ければ免許が取得できる船の教習所がおすすめです。
2級船舶免許であれば、土日の2日通うだけで免許が取得できます。(もちろん平日もOK)
2級船舶免許を持っていれば、岸から約9.3kmまでの海域を自由に航行できるので、釣りをする分には十分です。
そして費用は教習所にもよって変わると思いますが、僕の場合は10万円でした。
学科、実技ともに最後に試験を受けて基準ラインを超える必要がある、ということですが、実際の合格率は9割以上でほとんどの方が合格されているようです。
車の運転免許と同じノリですね。
具体的に学科・実技がどんな内容だったかイメージをお伝えします。
学科
学科は2日ある講習のうち、1.5日を費やすスケジュールでした。
2日目の最後に学科試験がありました。
ただ、暗記して覚えないといけない内容というのはそこまでありませんでした。
一般常識、というと語弊がありますが、先生がテキストに沿って話す内容を聞いて、フムフムと理解できれば学科試験は問題なくクリアできます。
退屈かと思いきや、むしろ海のルールを色々学べて楽しかったです。
使ったテキストはこれです。
小型船舶操縦士 学科教本 二級ボート免許取得のための学科テキスト 兼・一級学科テキスト 1 小型船舶教習所教本シリーズ / 日本船舶職員養成協会 【本】
細かい講義内容は書きませんが、試験問題の一例が以下です。
船で海を航行するときの注意事項として、間違っているのは次のうちどれか。
①レジャーや漁業など、いろんな人が海を利用している
②船は安定した浮力があるので、波風の影響は一切受けない
③まわりに悪影響を及ぼさない速度で走る必要がある
④天気が悪くなったときは、安全な場所まで非難する
これは試験問題そのままではありませんので、あくまでイメージと思ってください。
一般常識的に考えれば、「あれ?おかしくね?」っていう選択肢がありますよね。
すべてがこういう問題というわけではないのですが、講義中に習った専門用語・ルールなども絡めながら、一般常識的に考えたら分かる問題が多いです。
そして、筆記試験は50%以上正解したら合格です。
先生の話をちゃんと理解しながら聞いていけば問題なく合格できるイメージです。
実技
実技は2日ある講習のうち、0.5日を費やすスケジュールでした。こちらも学科同様に講習が終わった直後に実技試験がありました。
講習内容はざっくり以下のような感じです。実技も楽しかったです。
- 出航前の点検:エンジンとか船体に傷ないかとか、色々チェックする
- 船の運転:船とすれ違う時は右側通行で避けるとか、ジグザグ走行の練習とか
- 人命救助:海に浮かんだ杭を溺れている人と見立てて、近づいて助ける
- 船の着岸:岸に近づいて船を止める練習
- ロープ:何種類か結び方を覚える
実技試験は何割以上で合格かは覚えてません。(もしかしたら非公開かも)
ですが、一般的に学科試験よりもさらに合格率は高いようです。
実技講習が終わってこれから試験と言われたときは、
「え?教えてもらったこと全部覚えている自信ないんですけど」と思ったんですが、
講習の記憶が新鮮だったので意外と問題なく終えることができました。
(もしかしたら問題あったかもしれませんが、学科と同じで普通に考えたらこうするよね、という一般常識的な対応をすれば合格できるイメージです)
必要な準備物
船の免許取得に際し、前もって準備しておかないといけないものとしては
- 住民票
- 病院での身体検査(船舶免許用)
がありました。
どちらも免許申請に必要な書類です。
多分講習を受けたあとから提出でも問題ないと思いますが、遅れるほど免許が届くタイミングもずれるので計画的に取得しておきましょう。
ちなみに僕の場合身体検査については、教習所に紹介してもらった病院を初日の講習後に利用しました。病院側もいつも対応して慣れているのか、ものの10分程度で検査完了しました。
以上になります。
船の免許は一生ものです。
(5年に1回の講習を受けるだけでOK。受けるの忘れてもすぐ復活できる)
釣りを最大限楽しみたい方にとって、持っていれば必ず役に立つと思いますよ。